
自由が丘の花屋で春が近づくと増える色
春が近づくと、
花の名前より先に、色が変わります。
はっきりとした季節の境目があるわけではなくて、
気づくと、
店の中にやわらかい色が増えている。
白が少し明るくなって、
ピンクが軽くなって、
黄色が目に入りやすくなる。
まだ寒い日もあるのに、
色だけが、ひと足先に春を知っているようです。
この時期は、
強い赤や深い紫よりも、
少し曖昧な色がよく合います。
淡いピンク、
くすんだオレンジ、
透明感のある黄色。
どれも主張しすぎないのに、
並べると、空気が変わる。
花屋にとって春は、
「一気に変わる季節」ではありません。
少しずつ、
でも確実に、
色の重さが変わっていく季節です。
冬の名残がある花の横に、
春の花を一種類だけ置く。
それだけで、
店の表情がやわらぎます。
春が近づくと、
花は「きれい」よりも、
「軽い」ものが増えていく。
その変化を見ていると、
人の気持ちも、
同じように少しずつ
前を向いているのかもしれない、
そんなふうに思います。
今日も、
色を見ながら花を並べて、
春が来る準備をしています

